働く妊活女子のリアル

労働と妊活のはざまを行ったり来たりなリアルな日常を日々綴ってみます。

ついに妊娠。そして流産。

悩みながらの妊活を得て、無事妊娠発覚。
つわりと戦いながら過ごした日々。
6週目で心拍が確認でき、流産の確率がぐっと下がったと一安心。
8週目の検診で赤ちゃんの手足が出来ていることや、ピコピコ動く心臓を確認。

11週目、次はどんなに大きくなっているかと楽しみに病院に行ったら、お腹の中で赤ちゃんの心臓は止まっていました。

赤ちゃんの大きさは9週目中頃のサイズのまま。

つわりも続いていたから赤ちゃんは元気だと思い込んでいました。

お腹の中で赤ちゃんが亡くなる稽留流産は、無自覚の流産とも言われているらしい。知識としては知っていました。実際、腹痛もなければ、出血もない。つわりも継続していました。
でも、赤ちゃんの心臓は止まってしまっていました。

稽留流産発覚時のやりとりは今でもしっかり覚えています。
まるで映画でも見ているような、どこか他人事のような気持ちで先生の話を聞いていました。

先生「では診察を始めますね」
ハチ「はい。お願いします。(ワクワク)」
モニター見ながら
先生「今何週目だっけ?」
ハチ「11週目ですかね。」
先生「こっちが頭でこっちがおしりね。」
ハチ「はい。 (わー。今日もお手てと足が見えた~)」
先生「サイズ計りますね」
先生「このサイズね、9週目相当なの。」
ハチ「そーなんですか。(のんびり屋さんでちっちゃいのね。)」

私はこの期に及んで先生の様子がおかしいことに全く気がつかず、(のんびり成長するマイペースな子なのね)くらいに思っていました。

先生「でね、この大きさなら普通は拡大しなくても心臓が動いてるのがお母さんからでも見えるはずなんですよ。」
ハチ「・・・はい。」

この辺りでようやくまずいシチュエーションに気がつく。

先生「拡大して確認しますね。」
先生「角度変えて確認しますね。」
先生「一度着替えてもらって、横の診察室で話をしましょう。」
ハチ「はい。」

その後は、先生から優しくも淡々と色んな説明を受けました。
いくつかある流産の種類のうち、私は稽留流産であると言うこと。
流産の確率は15%と、決して低い数字ではなく、誰にでも起こりうるということ。
流産のうち、70%は赤ちゃんの生まれもった遺伝子的な問題で起こるため、お母さんの責任ではないということ。
念のため日を改めて診察を行い、そこで心臓を確認できなければ流産確定となること。
再度診察を行った結果心臓が動いたというケースは稀であること。
次回は主人と2人で来てほしいとのこと。

私は泣いたり喚いたりすることもなく、本当に冷静で、流産確定後の手術の日取りや金額、前後何日間休む必要があるのか等を質問しました。
先生は簡単に質問に答えつつも、「次回ご主人と一緒に来てもらって、その時に詳しい話をしましょう。ひとまずご主人と一緒に来られる日程を相談してみてください」とのことでした。

一度病院の外に出て、診察の日程を決めるべく、休日出勤中の旦那に電話。「赤ちゃんの心臓がね、止まっちゃったみたいなの。」旦那と話したとたん涙が溢れて来て止まらなくなりました。

その日は旦那も仕事を切り上げ早く帰って来てくれたので、二人でゆっくりご飯を食べながら眠りにつきました。


15%といえば、6~7人に一人の確率で流産を経験しているわけで、本当によくある話なんだと思います。
だから、自分だけが世界中の不幸を背負ってるわけではなく、皆辛い思いをしながらも乗り越えて生活しているのだと思いました。
そして、「仕方がなかった。」それ以外の自分の中での落とし処も見つからず、とにかく悲しい自分を自覚しながらなるべく普通の生活を送れるよう努力しました。

朝はいつも通り起きる。
ご飯を作って食べる。
掃除をする。
洗濯物をする。
お風呂に入る。
夜になったら眠る。

辛いし、経験しなくて済むなら経験しない方が良いことですが、経験してしまった身としては、「良い経験だった」と思えるようにするしかないと思いました。
お陰さまで流産した人の気持ちがわかるようになったとか、センシティブな時は、無意識に発せられた言葉でこんなに傷つくものなんだとわかったとか、周りの人の優しさにも感謝できたとか。

ちょっとうっかり者の我が子は忘れ物をしたらしくあっという間にお空に帰ってしまいましたが、忘れ物を取ったらすぐにまだ戻ってくるはずなので、心地よいベッドを用意しておきます。